新しい学年経営方法の具体的実践    〜大坪小学校〜 戻る
 
学年経営のモットー
「3人の教師で76人の子どもたちを育てる」 = 3人が力を合わせて学年全員を見守っていく

2クラス3人担任制
@ 教科専科制の導入・・4教科の専科制を設定した。(音楽・図工・生活・体育)
 教師の特技や教科の特性を生かし,専科制を取り入れた。

A 時間割編成
 教科専科制を取り入れたことで,教科により1クラス2Tや指導法改善担当教員を加えた3TによるTTが可能となり,各学級で計画的に行えるように時間割を編成した。(国語2T  算数3T 生活1T・2T 体育1T・2T・3T)
国語 担任を中心にTT
算数 少人数担当と担任,学年主任で単元ごとに指導法を考えながらTT(ほとんど3T)
生活 学年主任を中心に担任とのTT
音楽 2組担任が指導
図工 1組担任が指導
体育 学年主任が指導(ただし,水泳の時期は,安全面を配慮して担任とのTT,または,学年TTとする。)
書写
道徳
学活
原則として担任が指導
(効果)
国語 教師の指示に遅れがちで時間内にプリントやノート記述が終わらなかった児童が,T2の支援によって終わることができるようになった。
算数 2T・3Tで学習が進められることによって,個に応じて,少人数で指導することができ,児童の理解を深めることができた。
生活 児童の学習計画の段階から複数の教師が支援を行えることで,児童の細かな相談にものることができた。まとめの段階でも多くの助言をしながら活動を支援することができ,深まりのある学習ができた。
体育 プール指導では,担任1人の場合,泳げない児童を中心に指導をすると,他の児童は自分たちで練習するしかなかった。しかし,3Tでプール指導を行えば,習熟度に応じて3段階に分かれた指導をすることができた。命にかかわる授業でもあり,安全面からも大変有効であった。

B 日常の役割分担
 今まで各担任ごとに行っていたことを,教師3人で役割をはっきり分担したことで,それぞれが無駄なく自分の役割を果たすことができた。このことは,勤務能率の向上や創意・工夫による勤務時間の適正化に向けた改善策にもつながったのではないかと考えている。(フッ素洗口・学年通信・音読カード・掃除,給食の指導・宿題の提出の確認や添削他)

C 「学級の問題」を「学年の問題に」
 授業中学級で問題が生じた場合でも,T1はそのまま授業を行いT2がその児童に対応することができる。つまり,トラブルに影響されることなく授業を進めることができる
 また,問題を起こした児童もゆっくりと話を聞いてもらえることで問題を引きずることなく解消することができた。保護者の相談や問題が生じて家庭訪問を行う際も複数で対応でき,担任も心強く,その後の対応についても相談しながら進めていくことができ,家庭との信頼関係も深まっていったようだ。

児童の変容
 学年みんな仲間だという意識が育って,児童に連帯感が見られる。
 「学校で身に付けさせる生活態度」の各目標達成に向けて,学年全体で指導徹底したことにより,児童の態度・行動に確かな変容が見られるようになった。
 「家庭での基本的生活習慣」については,学校と家庭双方でその重要性を確認するとともに,密に連携を図りながらその定着に向けて取り組んだ結果,家庭における児童の生活態度に変容が見られるようになり保護者から喜びの声が届くようになった。

(保護者からの声)
 1年生のときは協調性が少なくて何に対しても利己主義的な子だったのですが,2年生なって先生の話を聞くようになり協力的になってきたようだ。
 きちんと朝食を食べ,一人で着替えられるようになった。
 規則正しい生活のリズムにのれるようになった。
 明るく元気で声も高くなった。
 帰ってきてすぐに自分から宿題を進んでするようになった。  他

教師の変容と意欲の向上
 2クラス3Tで進めてきたことにより,学級の壁がなくなり,学年という大きなチームで進めているという感じが強くなった。(児童も教師も)
 教師のチームワークを十分に発揮することができた。
 問題を一人で抱え込まず,常に3人で話し合い,他人事ではなく自分の問題として考えることができた。
 加配教員に学年主任の役割をもたせることにより,学年全体を見通した学年経営の強化と充実を図ることができた。
 同学年教員の育成にも成果が見られた。
  
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