教室復帰を促す前に
 不登校だった子どもが保健室や教育相談室まで登校するようになると,かかわっている教師や保護者は,「次は教室まで」という思いが出てきます。しかし,先を急ぐばかりではなく,「学校に安心していられる場所がある」と子どもが思えるようになることが,まず大切なことではないでしょうか。安心して過ごせる場所と,そこでかかわってくれる人がいることで,子どもの心のエネルギーは高まってくるでしょう。子どもに教室復帰を促すには,子どもの状態を把握することと,その状態に合った有効な支援をしていくことが必要です。
活動のエネルギーが低い状態 活動のエネルギーがやや高まった状態 活動のエネルギーが高まり,教室復帰を促してもいい状態
朝起きられない
家族との会話を避ける
頭痛や腹痛を訴えることが多い
外出を避ける
特定の友だちとなら話ができる
買い物などに出かけることができる
趣味や遊びに関心がわく
学習に興味がわく
集団の中で一定の時間、過ごすことができる。
進路について前向きに考えるようになる。
好きな教科の学習ができるようになる。
不登校で家から出られない状態 適応指導教室や保健室に通い始める状態 居場所として適応指導教室や保健室がある状態 少し活動的になってきた状態 登校,教室復帰ができるようになった状態
不安をやわらげる支援
自己肯定感を高める支援  対人関係を深める支援
教室復帰へ向けての環境を整え,モチベイションを高める支援