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本時の目標

(1)  『源氏物語』−桐壺−(後半)の場面を,重要な単語や文法に注意しながら,桐壺の更衣を取り巻く状況と生まれた皇子の立場,帝の思いを理解する。
(2)  登場人物の立場や心情,桐壺の更衣との関係を踏まえて手紙を書く。
 

本時の評価

(1)  新たな登場人物の発言を理解し,追いつめられている桐壺の状況をとらえている。[ワークシート・発表]
(2)  登場人物の立場や心情,桐壺の更衣との関係を踏まえて手紙を書いている。[手紙]
 

授業計画(5/6時間)
段階
学習活動

指導上の留意点
導入
前回の内容を振り返る。

桐壺の更衣が置かれた立場と心情を尋ねる。
※宮中での人間関係と身分の問題を踏まえさせる。

今回帝への手紙を書くことを確認する。

展開
教師の読みに従って後半の音読をする。

 
天皇の愛情がもたらした社会の波紋を考える。

新たな登場人物「上達部,上人」と,前段落の人物との立場の違いを尋ね,発言の意図を考えさせる。
※唐土・楊貴妃の故事については,注を使って補足説明をする。

帝を巡る女性とは違う人物からの発言から,桐壺がどのような状況に陥っているか,再考させる。

子どもが生まれたことで桐壺の更衣と帝の結びつきがより強くなったことについて考える。

天皇との間に,男子を産む意味について尋ねる。
※生徒が答えられなければ,現代の皇位継承問題のニュースを補足して考えさせる。

桐壺の更衣と右大臣の女御の子どもと天皇の対応を比較させ,帝の子どもとそれぞれの母親に対する思いを考えさせる。

登場人物(右大臣の女御・下臈の更衣たち・上達部)のだれかになり,帝に一通だけ手紙(現代文)を書く。

帝に手紙を書くためには,どのような点(互いの関係・自分の思い・伝えたい内容・手紙への書き方)を明らかにする必要があるか確認させる。(教師板書)
※帝の地位と,他の人物との関係を振り返らせ,「右大臣の女御」・「下臈の更衣」・「上達部,上人」の立場で,帝に手紙を書けるとしたら,どのような内容になるのか考えさせる。
※どの人物になったつもりで書くかは生徒に選ばせる。
※手紙は現代文で書かせる。きわめて身分が高い相手に対する表現にできるだけさせる。
※手紙は本時の最後に提出させる。時間内に書き終わらない生徒がいた場合,翌日までに提出するように指示する。

まとめ
手紙を書く活動を振り返り,次回の推敲活動への意欲を高める。

手紙を書く前に全体で確認したこと以外に,活動中に意識した点,考えたことを挙げさせる。(教師板書)
※どの登場人物についても最低一つは出るように指名する。
※推敲すれば,より登場人物になりきり,内容のある手紙になることを意識させる。

次回,手紙の書き手となる登場常人物ごとに班を作り,班別に手紙の検討を行い推敲しあうことを予告する。事前に掲示される班の一覧を見て,授業開始前に班に分かれておくことを指示する。


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