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本時の目標

(1)  『好色五人女』の概略を江戸時代の時代状況を踏まえて理解させ,近世文学への関心を深めさせる。
(2)  場面設定を確認させ,登場人物の人物像を具体的に読み取らせる。
 

本時の評価

(1)  説明・言動の描写に沿って,人物像をまとめている。 [ワークシート・発表]
(2)  日常生活での秩序と対比しながら,この場面の混乱した様子を説明している。[ワークシート・発表]


教材・補助プリント
五人女(文学史) 五人女(本文) 五人女(ワーク1) 五人女(ワーク2)
五人女(文学史) 五人女(本文) 五人女(ワーク1) 五人女(ワーク2)

授業計画(2/6時間)
段階
学習活動

指導上の留意点
導入
古典(江戸時代)の恋愛を読み味わうことを確認する。

現代でも目にすることができる,江戸から続く文化等を挙げさせ,どのような時代かイメージを浮かべさせる。
※生徒から発表がないようなら,伝統芸能などで江戸時代に盛んに行われるようになったり,様式が確立したりしたものはないか尋ねる。

歌舞伎・人形浄瑠璃などの主要なテーマに恋愛があることに触れ,現代同様,江戸時代でも恋愛が人々の関心を集めるテーマであることを意識させる。

展開
江戸の時代背景と『好色五人女』の概略を確認する。

ワークシート1を使い,『好色五人女』の特徴を江戸時代の社会背景の中で考えさせ,恋愛が社会の実状とつながっていることを読み取らせる。

教師の読みに従って,前半を音読する。

 
恋愛関係になる2人が,それぞれどのような人物か考え,お七の人物像をワークシート2にまとめる。

お七の人物像が分かる箇所に傍線を引き,容姿・性格・立場などの説明を探させ,比喩などを手がかりに人物像を想像させる。
※口語訳を確認させながら,お七の人物像を明らかにしていく。
※使われた比喩から,どのような印象を与える美女か考えさせる。

業平の説明がもつ意味を尋ね,お七の魅力や読者が抱いたお七への憧れを想像させる。
※注を参照させて「伊勢物語」の学習を振り返らせ,女性の魅力を表現する上で最大級の表現であることに気付かせる。

母親の対応から,お七が家族からどのような扱いを受けているか考えさせる。

お七の魅力を中心に人物像をまとめさせ,恋愛物語のヒロインとしてふさわしい人物であることを確認させる。

火事での混乱を確認し,ドラマが起こり得る場面であることを確認する。


2段落目の寺内の描写で挙げられているものが,通常どのように扱かわれているかを挙げさせ,対比させる。
※場面は,秩序が崩れた状況にあることを確認させる。

「釈迦も〜」の言葉が,もつ意味を尋ねる。
※直前の事例を受けての説明であることを指摘する。
※混乱しており,誰も日常の常識を持ち込める余裕がないことを確認させる。

まとめ
本時の学習を振り返り,現代の恋愛物語の設定に通じることを確認する。

恋愛をテーマにしたTVドラマなどと比較させ,共通していることを挙げさせる。
※日常の秩序が破られる場面で何かが起こる期待を高めることは,ドラマでよく使われる手法である点を確認する。

次回の授業を予告(後半の場面で,お七と吉三郎はどのような出会いをし,ドラマが起こるのか読み取っていくこと)をする。

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