微分法・積分法領域の研究
A 微分法の線形性を利用した積分法について

※ 部分積分法を利用した定積分では、次の3つの問題点があると思われます。
 
   (1)定積分内の2つの被積分関数のどちらを微分し、どちらを積分すべきなのかが分かりにくい。
   (2)計算の途中で符号が変化することが多く、計算ミスを起こしやすい。
   (3)部分積分を何回行えば定積分が求まるのか、見通しがつきにくい。
 
    そこで、微分法の線形性を利用した積分法を紹介します。この積分法は、

   ◎ 見通しがつき、分かりやすい
   ◎ 2回の積分が不要である

   の利点があり、部分積分法の3つの問題点(1)〜(3)を解消できます。

   まずは、次の例をご覧ください。

    この例の結果は準公式のようなものですが、次の例題のような問題を何問か演習すれば、
  この積分方法が定着するものと思われます。

  続いて【解法1】(微分法の線形性を利用した解法)と【解法2】(通常の部分積分法による解法)
 を紹介します。【解法1】では【解法2】の部分積分に伴う符号の変化がありませんので、計算ミスによる
 間違いをよくしてしまう生徒には、特にお勧めです。
【考え方】
【解法1】(微分法の線形性を利用した解法)
【解法2】(通常の部分積分法による解法)