教科書や大学入試では、次のような不等式の証明問題が出てきます。
証明すべきこれらの不等式がどのようにして作成されたものか、先生方は疑問に感じられたことはないでしょうか。
出題の背景にある理論を知ることは、問題を把握し、余裕をもって指導するために大変重要なことだと思われます。
ここでは、不等式の証明とマクローリン展開との関係について紹介します。
実は、このような不等式の証明問題の根底には、次の公式があります。
平均値の定理
この定理は、
とも表現できます。この平均値の定理から、次の定理が導かれます。
ロルの定理
このとき、ロルの定理を利用して、次のAが証明できます。
Aは、平均値の定理から派生したものですが、この考え方をn次導関数まで拡張したものが、 次の定理になります。
このように、微分法を用いた不等式の証明問題の多くは、平均値の定理から導かれるテーラーの定理、
マクローリンの定理を基に作成されています。
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