私はこの作品をこう見た。
 心理療法では,何がどんなイメージというのは,ある程度定着したものがあります。しかしそれらを一つ一つ知る必要はないでしょう。必ずしもその通りでないこともあるからです。同じものを貼っていても,子どもによって,またそのときの心の状態や身のまわりで起こった出来事などによって,その表現する意味はちがっているかもしれません。専門的な分析ができなくても,子どものいろいろな状況を知っている先生だからこそ見えてくるものもあるはずです。そういうものをひっくるめて,子どもが表現しているものを受けとめること,それが「作品から感じ取る」ということではないでしょうか。
・・・3人の方に聞いてみました。
Aさん 女の子らしい。.すっごく元気ですね。隙間ないし。でもぬいぐるみとかもあって幼い感じのところもあるね。
Bさん ピンクは画用紙の色じゃなくて,貼ってるんだ。「自分のあこがれ」って感じかな。でもプーさんとかスヌーピーとか子どもっぽさもあるんだな。構成力あるね。うまい!
Cさん 大人っぽい部分と子どもっぽい部分が混じってる。キャラクターと向き合う女の子とかを見ると,自分もそういう感じなのかな。
Aさん ・車好きなのね。しかも走ってるのばっかり。エネルギー感じるな。
Bさん ・車好き!走りたいのかなあ。
Cさん ・走ってる車に元気を感じるけど,きちんと枠におさまってる。走りたいけどそうできない自分がいるのかな。
いかがでしたか?あなたの見方とAさん,Bさん,Cさんの見方には,違うところもあれば,共通するところもあったのではないでしょうか。たとえば,「全体的に明るく元気な感じ」,「大人っぽさと幼さが混じってる」というのは3人共通しています。また3人とは違うことを感じたという方もいらっしゃるでしょう。環境や経験がそれぞれ違うのですから,それも当然です。