授業実施のための資料

授業A               資料との出会わせ方
 読み物資料として初めに渡してしまうと,展開が平板になってしまうので,プリントを何回かに区切って与えるか,再現構成法的に絵や図を使いながら語りかけて進める方がよいと思います。今回は,後者で行ってみました。バスの音も臨場感を出すのに効果的だったようです。

ネームプレートと意思表示カード

 ネームプレートは,立場を固定するために使用する場合もありますが,ここでは,授業の初めの方で考えていたことが,学習していくうちに,どう変わっていくか,あるいは,気持ちが強まっていくか等を見るための一時的な手だてです。

 ですから,考えが変わった時点で動かしてみるのもいいかもしれません。その際は,貼り替えに多少時間がかかることと,考えが変わっても黒板に行くのをためらう生徒が少なからずいることを配慮して指示を工夫する必要があります。

 どちらにしても「なぜそこに貼ったか」「どんな気持ちでそこに貼ったか」という発問をして,生徒が授業の初めに思ったこと,自分の考えを説明する時間を十分にとる必要があります。

 また,意思表示カードは,学習過程で他者に対して自己主張をする一つの方法であり,発言の基盤となるものです。色画用紙を切っただけなので,簡単に準備できます。

 ネームプレートも意思表示カードもあくまでも生徒の考えを引き出す手段の一つと考えてください。そして,両者をうまく授業の中に取り入れることによって,生徒の自己表現(発表)の場が確保され,次第に考える力や表現(発言)力が育ってくるものと思います。

 道徳の時間がそのことによってさらに深まり,意義深いものとなればと思っています。