クラス(コース)編成はこうしよう!

学習集団の編成や改編の時期について,神埼町立神埼中学校での実践例を参考に紹介します。

まず集団の大きさと種類を考えよう!
習熟度別に少人数のコース分けを行う際によく使われる分け方は,次のようなものが多いでしょう。
 
(1)1クラスを15人〜20人の基礎と発展の2つに分ける
(2)2クラスを20人〜25人の基礎,実戦,応用の3つに分ける
  *基礎2コースと応用1コースという分け方も考えられます

担当できる教師の数によって各コースの規模は決定されますが,きめ細やかな指導を目指すならば,できるだけ少ない人数がよいでしょう。また,基礎コースの人数は他のコースよりも少なくすることがコツです

神埼中学校では,2クラスを基礎,実戦,応用の3コースに分けて実施しています。

各コースのネーミングは,ABCなど順列を思わせるような表現は避けましょう。神埼中学校では基礎コース,実戦コース,応用コースというコース名をつけています。

コースの名前には「じっくりコース」,「どんどんコース」,「ピーターコース」,「ミッキーコース」などの楽しいネーミングも候補に挙げてみてはどうでしょうか。  
生徒や保護者に説明して事前アンケートをとろう!
(1)生徒への説明(ガイダンス)
神埼中学校では,まず各コースの学習についてポイントを絞り説明しました。生徒がイメージしやすいような言葉を選び,その違いが分かるような説明を心がけました。
ただ単に点数でコースを選ばせるのではなく,自分にとってどういう学習をすることが最も良いのかを,生徒自身が意識することが大事です。このことがクラス(コース)開きの際に生きてきます。
神埼中学校ではガイダンスとアンケート取りを合わせて1時間程度の時間が必要でした。

(2)保護者への説明
コースの構想をまとめた後で,学校全体の方針という形で保護者に説明しました。
もし,学年や学期の始めに保護者が集まる機会があれば,是非そこで説明してください。その機会がなければ,文書を通して説明してください。

「評価」については,生徒・保護者ともに気になる内容ですので,十分に説明することが大事です。教科書の進度を同じにする点を押さえるとともに,どのコースも共通に定期テスト,小テスト,学習態度,発表,提出物,コミュニケーション活動などを総合して「評価」することを伝えました。
 
ガイダンス資料のページ
希望に基づいてカウンセリングを!
希望を優先するとはいえ,人数に調整はしなければなりません。そこで,それまでの生徒の評価観点別の特性や学習形態調査の結果などを参考にしてカウンセリングを行いました。生徒が納得してそのクラス(コース)に進めるようにしてあげることが目的です。
また,生徒同士の人間関係やそのクラス(コース)のリーダーづくりにも留意して決定していきました。
習熟度別少人数授業を導入するタイミングは?
(1)時間の中で
1クラスを2つに分けるような場合,この方法を活用することができます。授業後半の15分間を生徒の実態に応じて「基礎的事項の復習」と「応用的な練習」に当てるときに実施します。

(2)1単元の中で
1つのユニットやプログラムの終わりに生徒の定着度に応じてフィードバックすることがあります。その際には,生徒に事前に教室を指定しておけば,1時間単位で習熟度別の学習を行えるでしょう。
2クラスを3つに分けるような場合には,2つのクラスが同じ進度であるように,教師間の連絡を密にしておくべきです。

(3)学期や年間を通して
上の2つとは異なり長期にわたるものですから,しっかりした計画が必要です。しかしながら各コース内での進度についてはフレキシブルに対応できますので,生徒個々への対応は細やかになります。

(4)3年間のを見通して
習熟度に差が大きくなりがちな高学年ほど効果が期待できます。1年生でも,2学期以降は実施することが可能ではないでしょうか。
クラス(コース)の改編について
年間を通して少人数授業を行うか,ある一定の時期のみ行うかによって異なりますが,学期に1度又は前半後半で改編することが望ましいと言えます。そのためには授業について生徒と話し合ったり,事前にアンケートを取るなどして,生徒の意識を把握してください。
事後アンケートのページ