○ 学習指導案    小学校第5学年 「 英語活動 」

1 単元名 「ペットボトルボーリングに挑戦」(平成15年9月実施,28名)
                                          授業実践者:佐賀市立循誘小学校
                                                   教諭 西村 常裕

2 単元とその指導について
 本学級では,本年度4月から英語活動に取り組んでいる。これまでの英語活動では,「あいさつ」,「数を聞く」,「自己紹介」,「好きなものを聞く」などの活動を行い,それらの活動に必要な英語表現に触れてきた。「数を聞く」(How many 〜 do you have?)の活動では,子どもたちは1から20までの数の英語表現に親しんだ。ここでは,時刻を尋ねたり,ボーリングゲームのスコアをつけたりするといった,実際に英語で数を取り扱う活動を通して,1から100までの数の英語表現に慣れさせることを主なねらいとしている。数を数えられるようになると,時刻の表現や簡単な計算などが可能となり,様々な活動に応用することができるので,英語活動の幅が広がると考えられる。
 また,コミュニケーションを重視した活動を組み込むことで,友達とかかわる楽しさを味わわせ,国際交流などへの意欲的な態度を育むこともねらいとしている。
 本校の5年生は総合的な学習の時間で国際理解に取り組んでおり,その一環としての英語活動を年間20時間程度計画している。当初は英語活動に対して抵抗をもっている子どももいたが,英語活動の楽しさに触れ,次第に意欲的に取り組むようになってきた。外国の人との交流の場ではすべての子どもが簡単なあいさつと自己紹介を英語で行うことができた。取り扱った英語表現が外国の人との交流に役に立ち,「英語活動に取り組んできてよかった」との声が,多くの子どもたちから聞かれた。英語表現が実際の交流に役立ったことで,子どもたちの英語に関する意欲がより高まってきているように感じられる。
 本単元を計画するに当たっては,これまでに触れた1から20までの数の表現をゲームの中で取り扱い,それから21から60までの数,61から100までの数と広げていくことで,児童の抵抗を軽減するように配慮した。また,単に数を数えるだけでなく,数あてビンゴゲームやボーリングゲームなど子どもが楽しめる活動の中で,"How many 〜 are there?","How many 〜 did you get?"などの表現を使って,教師と簡単なやりとりをするように計画した。数を表す英単語から数や時刻を尋ねる英語表現へと広げ,さらには高学年の児童が楽しめて,なおかつそれらの表現を使う必然性が生じるような場面設定することでコミュニケーションの楽しさを味わわせるわけである。
 また,本単元は,HRT単独という形態での指導を計画したので,CDやビデオテープなどの視聴覚教材を効果的に利用し,英語のネイティブな音に触れさせるように配慮した。

3 単元の目標
(1) ゲームを通して,数や数を尋ねる英語表現に親しませる。
(2) 教師や友達と英語によるやりとりをする中で,コミュニケーションの楽しさを味わわせる。

4 単元の計画
 (全3時間)
@ 数を英語で表現しよう。       (HRT)
     
 ・ 数あてビンゴゲームを通して,1から20までの表現に触れる。
  "What number is this?"
  "How many 〜 do you have?"
A  数の表現に慣れよう。
       (HRT)
 ・ 1から60までの表現に触れる。
 ・ 時計を使って時刻の尋ね方や答え方に慣れる。
  "What time is it?"  "It's 〜."
  "What time did you get up?"  
B  ボーリングゲームを楽しもう。
   《本時》(HRT)
・1から100までの表現に触れる。
・ゲームを通して英語表現に慣れる。
 "How many pins are there?"
 "How many points did you get?"

 第1時の学習活動
 (1) 目標
  ・ 1から20までの数を表す英語を聞いて分かる。
  ・ 数を尋ねるときの"How many 〜?"という表現に慣れ,反応することができる。
 (2) 準備
NHK学校放送番組「えいごリアン@」2000年度第9回放送"How many legs does a spider have?"のビデオ,ハエ叩き,CD"Seven Steps"
 (3) 展開
児童・生徒の活動 教師の指導と支援
 あいさつをする。
 子どもたちと英語であいさつをし,英語活動の楽しい雰囲気をつくる。
 Good morning (afternoon), everyone.
 How are you?
 「数さがしゲーム」をする。
・黒板に1〜20までの数字をランダムに書いておく。
・クラスをいくつかのグループに分け(1チーム6〜7人が適当),グループごとに1列に並べる。
・列の先頭の児童にハエ叩きを持たせ,担任が英語で言った数字を見付け,早く叩いた児童のチームに1点を与える。





 1から20までの数字を一緒に数えるなどして,児童にとってあまりなじみのない11以上の数に触れておく。
 最初は1〜10ぐらいの数字を言って慣れさせ,次第に11以上の数を混ぜるようにする。
 広洋紙に数字をランダムに書いたものを,あらかじめグループの数だけ用意しておくのもよい。
 「Don't say 20ゲーム」をする。
・2人1組で行う。
・交代で1から順に数字を言っていく。ただし1回に言えるのは,1個〜3個までの数字となる。
・3個以内の数字を交互に言っていき,20を言った人が負けになる。




 児童の代表者とデモンストレーションを行い,ゲームの方法を把握させる。
 勝ち抜き戦をしていき,チャンピォンを決めるのもおもしろい。
 時間的に余裕があれば,勝てるためのコツを考えさせる。
 えいごリアン "How many legs does a spider have?"を見る。

 ビデオを用意しておく。(えいごリアン@第9回放送)
 日本語の解説を加えないようにし,15分間続けて見せる。
 「いくつですかゲーム」をする。
・2の数さがしゲームの要領で,児童にクラスの人数,室内にある花瓶の数などを質問し,その数字を見付けさせる。


 "How many 〜?"の日本語訳をせずに,児童とのやりとりの中で意味をつかませたい。
 児童の福にあるポケットの総数,筆箱の中の鉛筆などの数を尋ね,クラスのチャンピォンを見付けるような活動もおもしろい。
"How many vases are there in this classroom."
"How many pockets do you have?"
 Seven Stepsを歌って終わりのあいさつをする。
 えいごリアンの番組に出てきた英語の歌,"Seven Steps"を一緒に歌い,楽しい雰囲気のまま授業を終わる。
"Good bye, everyone. See you next time!"
 (4) 評価
   ア  様々なゲームを楽しみながら,1〜20の数字を表す英語表現になれることができたか。
   イ  数を尋ねるときの"How many 〜?"という質問に慣れ,反応することができたか。


 第2時の学習活動
 (1) 目標
  ・ 21から60までの数を表す英語を聞いて分かる。
  ・ 時刻を尋ねるときの"What time 〜?"という表現に慣れ,反応することができる。
 (2) 準備
NHK学校放送番組「えいごリアン@」2000年度第15回放送"What time is it now?"のビデオ
 (3) 展開
児童・生徒の活動 教師の指導と支援
 あいさつをする。
 子どもたちと英語であいさつをし,英語活動の楽しい雰囲気をつくる。
 Good morning (afternoon), everyone.
 How are you?
 Hickory Dickory Dockを歌う。
 えいごリアンに出てくる"Hickory Dickory Dock"を歌わせる。
 60までの数の表現を知る。


 21から60までの数を一緒に数えるなどして,21以上の数の規則性に気付かせる。
 13と30,14と40などの発音の違いに注意させる。
 数さがしゲームをする。
・第1時の数さがしゲームの要領と同じ。
・教師が言う数字を60までに広げる。


 第2時の数さがしゲームの要領で,グループ対抗で楽しませる。
 教室内にあるいろいろなものの数を尋ねることもできる。
 えいごリアン "What time is it now?" を見る。

 ビデオを用意しておく。(えいごリアン@第15回放送)
 日本語の解説を加えないようにし,15分間続けて見せる。 
 時刻を尋ねたり答えたりする表現に慣れる。





 おもちゃの時計を使って時刻を尋ねたり,児童の起きる時刻,寝る時刻などを尋ねたりする。
"What time is it now?"
"What time do you get up?"
"What time do you go to bed?"
 午前,午後を表す"am""pm"は時刻の後ろに付けることにもさりげなく触れる。
"It's 10:15 am."
 終わりのあいさつをする。
"Good bye, everyone. See you next time!"
 (4) 評価
   ア  1から60までの数字に慣れることができたか。
   イ  時刻を尋ねる表現を知り,それに対して反応しようとしたか。


 第3時の学習活動
 (1) 目標
  ア
  イ
 ボーリングゲームを行うことで1から100までの数に親しませる。
 友達と英語によるコミュニケーションをとる場の設定をすることで,交流の楽しさを味わわせる。
 (2) 準備
ペットボトル,テニスボール,リズムボックス,フラッシュカード,NHK学校放送番組「スーパーえいごリアン」2002年度第6回放送「ボーリングで勝負」のビデオ
 (3) 展開
児童・生徒の活動 教師の指導と支援
 あいさつをする。
 全員であいさつする。
  "Good morning, everyone."
  "How are you, today?"
  "I'm (fine/good/hungry),thank you."
 時刻の表現に慣れる。
 今朝起きた時刻や昨日寝た時刻などを質問する。
  "What time did you get up this morning?"
  "What time did you go to bed last night?"
 100までの数の表現を知る



 フラッシュカードを用い,子どもたちがスムースに発声できるようなったら,チャンツでより親しませる。
 キーボードなどリズムを刻むものを使い,リズムに乗って練習できるようにする。
 「スーパーえいごリアン」のビデオを視聴する。
 ボーリングのスコアのつけ方に注目するように促す。
"How was today's Super-Eigorian?"
"What did Simon say?"
 ボーリングゲームの説明を聞く。
 ゲームのルールやスコアのつけ方,計算のやり方を分かりやすく説明する。
 英語での計算を練習させる。
  "Two plus three is five."
 ボ―リングゲームを楽しむ。


















 ピンに見立てたペットボトルを素早く置くことができるように,ピンの配置を描いた台紙を準備する。
 プレイヤーから先頭のピンまでの長さを英語を使いながら測らせる。
 4人ずつのグループを作らせ,一人ずつに役割を分担させる。
 子ども同士で1回ごとのポイントを英語で伝えたり,英語での足し算をしながらゲームを楽しんだりできるように,声掛けをする。
  "How many points?"-"Seven!"
 グループを回りながら,教師も英語で質問をする。
  "How many pins are there?"
  "How many points did you get?"
 自分のポイントを英語で表現し,スコアを書くことができたか。
 進んでボーリングゲームに参加することができたか。
 終わりのあいさつをする。
  "That's all for today."
  "Good-bye, everyone."
  "See you next time."
 (4) 評価
  ア  スーパーえいごリアンの番組内容をつかみ,ボーリングゲームのスコアをつけたり,教師の英語の質問に反応したりしようとしていたか。
  イ  友達とコミュニケーションを図りながら,楽しく活動することができたか。