1 1時目のねらい 

・ 人間の科学的値段を示して命の重みを考えるきっかけを与える。
・ 生命尊重にかかわる2つの新聞記事を読ませて,命の尊さについて考えさせる。


2 1時目の展開

学習活動と主な発問 指導上の留意点と子どもを見る視点 備 考
1.アンケートの結果を知る。
 

○ 命に関するたくさんの価値観を紹介することで,いろいろな考え方があることに気付かせ,間違った考え方というものはないという雰囲気を作る。

・アンケートの結果
2.“人間の値段”について話し合う。

 あなたにとって,大切な人はだれですか。

 その人に値段をつけるとしたら,いくらですか。

 人間は,科学的に値段をつけると3000円です。何か言いたいことはありますか。

○ ワークシートに書かせながら進めていく。


○ その子にとっての大切な人を認めるとともに,これから考えていく対象を明らかにする。


○ 「大切な人」の値段について考えさせることで,科学的な人間の値段に対する様々な思いをもたせたい。

○ 人間の科学的な値段に対する反論を引き出す。


【子どもを見る視点1(発言・ワークシート
(道徳的心情)
・信じられない ・安すぎる
・許せない   ・ふざけている
・そなわけない ・うそみたい
・命はお金では買えない
・それには心の値段が入っていない  など

○ 命の値段を考えさせることで,あらためて「命の大切さ」に注目させていく。

・ワークシート

3.命に関する2つの新聞記事(事故,いじめ)を読んで話し合う。

 この記事を読んで,どんなことを感じましたか。




【子どもを見る視点2(発言・ワークシート
(価値についての理解)
・二つの死は意味が違う
・人の命の大切さがよく分かった
・死んだら悲しむ人がいる
・一人の命はその人だけのものではない

(道徳的心情)
・いじめた子が許せない
・ひどすぎる
・先生の態度も許せない
・お父さんを亡くした子どもはかわいそう
・お父さんも心残りだったろう
・自分だったら〜したい。〜はいやだ。〜は悲しい。(自分と重ねて考える)
・自分も命を大切にしたい
 

○ この活動により,命について次の三つのことに気付かせたい。
◆ 自分たちにも無関係ではない「いじめ」が,人の命を奪うことにつながることもあるということ。
◆ 1つの命は,多くの人とかかわっているということ。
◆自分の心の中に「命を大切にした(そまつにしたくない)」と思う心があること。
 
・いじめの新聞記事
・事故の新聞記事
4.ふりかえりカードを書く。 ○ 本時において心に残ったことや,考えが変わったこと,更に考えたいことなどを書かせる。



【子どもを見る視点3(発言・ふりかえりカード
○「子どもを見る視点1」の内容
○「子どもを見る視点2」の内容
○1時間での自分の変容
(価値についての理解)
・ 人の命は○○円くらいだと思っていたけど,友達に考えを聞いてお金に代えられないと思った。
・ 「いじめ」でなくなったほうが悲しいと思ったけど,どれも比べられないくらい悲しいんだ。
・ 「命の値段」や「命の終わり」について家の人にも聞きたくなったよ。  

○ 「お金には換えられない命の大切さ」「命がなくなることの悲しさ(悲しむ人の存在)」を次時の授業で生かしていく。

・ふりかえりカード(実物)

・ふりかえりカード(枠)




5.教師の話を聞く。
○ 命の大切さを思って作った「命のたまご」を紹介することで,これから「命」について考えていくことを子どもたちに明確にもたせる。

・作品「命のたまご」

6.次時につなげる。
 命の重さってどれくらいかな?他の人もみんなと同じ考えかな?

○ 今日の学習にかかわる課題を示して終わることで,再度「命」について考えたり,他の人の価値観にふれたりできるようにして授業を終える。





◆子どもを見る視点◆
○ 命の大切さを知っているか。
 ・「知った」「気付いた」という言葉が出ている。
○ 命の大切さを感じているか。
 ・「思った」「感じた」という言葉が出ている。
○ 命の大切さを考えているか。
 ・自分と重ねて(経験を思い出して)いる。
 ・自学などで,あらためて考えている。
 ・自分の考えを発展させている。
 ・人に聞いたり,人と話し合ったりしている。
○命を大切にしているか。
 ・遊び方(危険な遊びをしない/注意をする)
 ・いじめ
 ・植物や動物の世話の様子
 ・習慣(健康に気を付けている など)


◆子どもを見る場◆

 ・(授業で使った)ふりかえりカード
 ・資料への書き込み
 ・自学(宿題ノート)
 ・日記
 ・生活の様子



◆見付けたよさの整理の仕方◆
       
  

◆見付けたよさの生かし方◆

 ・コメントやアンダーラインを引く。
 ・全体へ紹介(口頭)する。
 ・学級通信に掲載する。
 ・次時の授業で紹介する。