○「関心・意欲・態度」におけるよさ  
一人一人のよさや成長をとらえるためには,評価規準をより具体的な活動レベルの児童の姿で表現した評価の視点(見取りの視点)が必要です。これらの視点が,具体的であればあるほど,目の前の児童のよさや成長の様子がよく見えてきます。ここでは,生活科における3つの観点における「一人一人のよさや成長」について,とらえるヒントを提案します。
実際の授業場面で活用しながら,追加・修正を行っていくとよいでしょう。
○「関心・意欲・態度」におけるよさ〜関心の高まり〜
ここでは,関心・意欲・態度の観点における評価の視点(見取りの視点)を設定するためのヒントとして,行動に見られる「よさ」と,言葉に見られる「よさ」について,考えてみました。関心が意欲へと高まり,持続的・発展的な態度へと変容していく様子を具体的な行動や言葉から,見取り,聞き取り,とらえていくことができます。
単元の具体的な内容にかかわる表現を加えて,評価の視点を設定するヒントとして,活用してください。
過程 関心・意欲・態度の高まり 行動に見られる「よさ」 言葉に見られる「よさ」
(つぶやき・会話・発表・対話・記述)
出会う
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行う



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ひら
○対象や環境への興味・関心
・気になる
・かかわろうとする思い


・目を輝かせて見る,聞く,触れる
・身を乗り出す
・手を伸ばす
・思わず近寄る
・じっくり見ている
「わあー」
「何かな」
「早く・・・したい」
「・・・してみよう」
○思いや願い(こだわり)の実現に向かって,かかわっていこうとする意欲
・もっとうまくやり遂げようという思い
・もっとうまくやり遂げようと努力する様子

・対象や環境の特徴を見つけている(触わる・向きを変える・動かす・話しかけるなど)
・前もって必要な材料・情報を集めている
・繰り返しかかわっている
・同じ方法でかかわっている
・別の方法でかかわっている
・(授業場面以外でも)継続的にかかわっている
「・・・するために・・・するよ」
「うまくいったよ」
「あれ,うまくいかないな」
「・・・したらどうだろう」
「もっと・・・するために・・・するよ」
「つづけて〜しよう」
○対象や環境にかかわり続けようという思い
○持続的・発展的な態度
・日常的にも同じ対象にかかわっている
・別の対象に
・別の場所で
「もっと・・・したいな」
「これからも・・・しよう」
「他にも・・・したいな」
「・・・するときっといいね」
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○「関心・意欲・態度」におけるよさ 〜対象へのかかわり方の広がり・深まり〜
 
思考の広がりや深まりは,児童の様々な表現の中に,その手掛かりを見つけることができます。具体的な行動や言葉,作品の変容から,見取り,聞き取り,読み取るとともに,対象へのかかわり方の広がりや深まりを裏付けるような言葉を対話によって引き出しながら,評価していきます。
単元の具体的な内容にかかわる表現を加えて,評価の視点を設定するためのヒントとして,活用してください。
過程 思考の高まり 行動に見られる「よさ」 言葉に見られる「よさ」
(つぶやき・会話・発表・対話・記述)

出会う

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行う





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ひら

○直観的にかかわる
・直観的特徴付け
・ひらめき
(想像・推測)
            など
 

・直観的に環境や対象とかかわっている
・活動を見通している
・手順・準備について考えている
・必要な情報

 
「・・・みたい」
「・・・ができそうだ」
「・・・があるといいな」
「・・・手順でやったらどうかな」
「・・・してみよう」
 

○よりよいかかわり方・表現の仕方を考え,工夫する

・比較して
・関係づけて
・因果関係をとらえて
・過去の経験を想起して
・具体的に
・視点を変えて
・総合的に  
             など
 


 ・環境や対象の特徴を生かして
 ・これまでの経験を生かして
 ・自分なりに試行錯誤しながら
 ・相手や実際の活動場面を意識して
 ・自分の気付きを生かして
 ・いろいろな情報を役立てて
 ・友達のよさを取り入れて
 ・活動を振り返って
 

「・・・と似ているな(違うな)・・・したらいいんじゃないかな」
「・・・だから・・・なのかな」
「・・・じゃないかな」
「・・・さんよろこんでくれるかな?」
「前も・・・だったな」
「たとえば・・・ことかな」
「・・・してみたらどうかな」
「・・・も・・・も・・だな」
 
○経験や学習を生かす
一般的に
             など


 ・単元を振り返って
 ・よりよいかかわり方
 ・よりよい伝え方
 ・自分のよさや友達のよさ
 
「家でも・・・してみたら・・・だったよ」
「休み時間も・・・してみたら・・・だったよ」
「・・・したら,もっと楽しく生活できそうだな」
 


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○「関心・意欲・態度」におけるよさ〜対象や自分自身への気付きの広がり・深まり〜

児童が,思いや願いをもって繰り返し活動する時,様々な気付きが生まれます。
それらは,教師によって価値付けられ,意識付けられることで,その後の活動へのやる気と自信を生むとともに,思考を広げたり深めたりするきっかけとなります。
だからこそ,児童の行動や言葉,作品の変容から,見取り,聞き取り,読み取ったことを基に対話しながら,対象そのものや対象へのかかわり方についての気付き,自分のよさや成長についての気付きなどを引き出していくことが大切です。
活動の展開に沿って,児童の気付きの広がりや深まりをとらえていきましょう。
単元ごとの具体的な内容にかかわる表現を加えて,評価の視点を設定するためのヒントとして,活用してください。
気付きの広がり・深まり  行動の「よさ」 言葉の「よさ」
(記述・つぶやき・会話・発表・対話) 
出会う
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行う



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ひら

○直観的気付き

・事実をとらえて
※思考・表現の行動の「よさ」


 気付きを
・教師に伝えに来る
・友達に伝えている
・カードに書いている
・作品に取り入れている
・かかわり方の工夫に取り入れている 

 
「・・・を見つけたよ」
「楽しいよ」
「面白いよ」
「不思議だよ」
 
○実感的気付き
○納得する気付き


・生活経験に基づく
・問題を発見
・比較や関連づけによる具体的な楽しさ・よさ
「・・・はすごいよ」
「・・・だよ」
「前に・・・したときと同じだよ(違うよ)」
「・・・と似ている(違う)よ」
「・・・さんの工夫,いいね」
「・・・なのに, 不思議だね」
「・・・したら,うまくいったね」
「・・・が分かったよ」
○自分についての気付き
○自分の行動についての気付き


・考えや意志を伴う
・かかわり方
・学習したことに基づく
「・・・っていいね」
「・・・すると楽しいね」
「仲良くなれたね」
「やっぱり・・・だね」
「・・・には,・・・すればいいね」
「・・・することは大切だね」
「すてき(ひみつ)がいっぱいだね」
「・・・が,上手にできるようになったよ」
「ずうっと(何回も)〜してがんばったよ」
 

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