雷に撃たれてしまったら?

 人体に落雷があるとどうなるでしょうか。体の表面を電気が流れる場合は,衣類の破損・焦げや浅いやけどになります。体の中を流れると,心臓や肺の運動を停止させますので,致命的です。両方に流れると心臓や肺への影響が軽減されます。
 落雷によって体の中を電流が流れる時間は,非常に短い時間(0.1秒以下)ですので,高電圧の割に多量の熱は発生しません。そのため,雷以外の感電事故とは違って,発熱によるものはやけど程度で済みます。
 問題は,心臓や呼吸の停止です。1人でいるときに落雷があればどうすることもできませんが,近くに落雷を受けなかった人がいれば,一刻も早く「心肺蘇生」を行うことです。心肺が停止してから時間が経つほど蘇生率が悪くなり,停止してから4分で,蘇生の確率50%と言われています。実際に,命を取り留めた例があります。雷に撃たれればもうダメだと思ってしまいかねないですが,雷撃を受けてもまだ助かる道は残されています。よほど大きなエネルギーの落雷でない限り,助かるかも知れません。やけどは致命的ではないので,「停止した心肺を動かせば助かる」ことを信じて,心肺蘇生法を身に付けておきましょう。ただ,次の雷撃を受けないように,二次災害をくい止めなければなりません。
 なお,心肺蘇生法については,インターネット上でも紹介されています。