屋外での安全な場所

 雷は高いところに落ちるという性質があります。開けたところではなく、木や建物、電信柱など高い物の近くに避難することが大切です。辺りに高い物がなく、自分が一番高い場合には、「直撃雷」の可能性が高くなります。安全な場所は、建物などのてっぺんから約45°の範囲です。これを「保護範囲」と言います。保護範囲の中であっても高い物に接近しすぎると、高い物に落ちた雷が人間に飛び移ってくることがあります。これを「側撃」と言います。「寄らば大樹の陰」は大変危険です。木の枝先から2m以上、建物から4m以上離れると安全だと言われています。しかし、背丈が4m以上ない場合には保護範囲がありませんので、姿勢を低くして、できるだけ速く安全な場所に移動することです。また、建物が30m以上ある場合には、保護範囲はそれ以上広がることはないようですので、建物から4m以上離れれば良しとし、あまり離れない方がよいでしょう。
 保護範囲に入ったら、両足を地面に付け、できるだけ姿勢を低くして両手は耳をふさぐのがよいでしょう。これは、突起部分を減らし、鼓膜を保護し、肌を直接地面に付けないようにするためです。
 ニューヨークのエンパイアステートビルも屋上の避雷針に落ちずに壁に落ちることもときどきあるようですので、この保護範囲は一応の目安として考えてください。過信は禁物です。確実に安全な場所は、屋外にはないと思っていた方が良いでしょう。