最も安全な場所

 雷は電気ですから,電気の流れやすい物質を選びます。車や電車,バスなどの金属でできた物に落ちると,その金属を伝ってタイヤなどを通して地面に電気が逃げます。19世紀イギリスのファラデーは金属の容器の中は安全であるという(静電遮へい)理論をうち立てて,金網のかごの中に入って世界で最初に人体実験をしています。その中に人がいても電気の流れやすい金属(「導体」と言います)の方に雷電流が流れ,人に飛び移ることはありませんし,そういったことは現在まで1例もありません。安全です。金属には触れず,手や顔は出さずにできるだけ中央にいましょう。ただ,車を運転中に落雷があると,ショックで運転を誤ることも考えられますので,落雷の危険を感じたら徐行運転をすべきでしょう。
 屋内では,落雷後に電線を通しての雷電流による感電事故はあっていますが,雷の直撃を受けて死亡にまで至った例はありません。