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Ⅰ 社会の情報化の進展 (文部科学省:「教育の情報化に関する手引」より)
   インターネットがグローバルな情報通信基盤となり、誰もが情報の受け手だけでなく送り手としての役割も担うようになり、日常生活も大きく変化しています。
 経済・社会、生活・文化のあらゆる場面で情報化が進展する中で、大量の情報の中から取捨選択をしたり、情報の表現やコミュニケーションの効果的な手段としてコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用する能力が求められるようになっています。同時に、ネットワーク上の有害情報や悪意のある情報発信など情報化の影の部分への対応が喫緊に求められており、このような状況の中で、情報や情報手段を適切に活用できる能力がすべての国民に必要とされるようになっています。
さらに、その上で、情報手段を効果的に活用して、多様な情報を結び付けたり、情報を共有するなどして協同的に作業したりすることで、新たな知識や情報などの創造・発信や問題の解決につなげていくといった、情報社会の進展に、主体的に対応できる能力が求められています。 
   
   
   
Ⅱ 学校教育における教育の情報化への取り組みの変化 
   
   
 文部科学省「学習指導要領」(平成元年告示) →→文部科学省のページはこちら
 小学校・中学校・高等学校の各段階の指導において、視聴覚教材や教育機器を活用を図ることとされました。
具体的には、
・ 中学校技術・家庭科において、選択領域として「情報基礎」が新設されました。
・ 中学校・高等学校の段階で、数学科など関連する各教科で情報に関する内容が取り入れられました。  
       
       
 文部科学省「学習指導要領」(平成10年告示) →→文部科学省のページはこちら
 小・中・高等学校の段階を通じて、各教科や総合的な学習の時間においてコンピュータや情報通信ネットワークの積極的な活用を図ることとされました。また、中学校・高等学校段階において、情報に関する教科・内容を必修とするなど、情報教育の充実が図られました。
具体的には、
・ 中学校技術・家庭科(技術分野)で「情報とコンピュータ」の学習内容が必修となりました。
・ 高等学校で普通教科「情報」が新設され、「情報A」「情報B」「情報C」(各2単位)から1科目を履修するようになり、専門教科「情報」も新設されました。
       
       
 中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(平成20年1月17日)   →→文部科学省のページはこちら
 教育内容に関する改善事項や教師が子どもたちと向き合う時間の確保などの教育条件の整備等の中で、情報教育に関する内容が示されています。
     
7.教育内容に関する改善事項  (「中央教育審議会答申」より抜粋)
(7) 社会の変化や対応の観点から教科等を横断して改善すべき事項

(情報教育)

 情報教育について、その課題も踏まえた上で、子どもたちの発達の段階に応じた改善を図る必要がある。

・ 小学校段階では、各教科等において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの積極的な活用を通じて、その基本的な操作の習得や、情報モラル等にかかわる指導の充実を図る。
 特に、総合的な学習の時間において、情報に関する学習を行う際には、問題解決的な学習や探究活動を通して、情報を受信し、収集・整理・発信したり、情報が日常生活や社会に与える影響を考えたりするなどの学習活動が行われるよう配慮することとする。また、道徳においても、その指導に当たって、発達の段階に応じて情報モラルを取り扱うよう配慮する。

・ 中学校段階では、各教科等において、小学校段階の基礎の上に、コンピュータや情報通信ネットワークなどを主体的に活用するとともに、情報モラル等に関する指導の充実を図る。
 特に、技術・家庭科の内容としては、マルチメディアの活用やプログラミングと計測・制御などに関する基本的な内容をすべての生徒に学習させる。

・ 高等学校段階では、各教科等において、小学校及び中学校段階の基礎の上に、コンピュータや情報通信ネットワークなどを実践的に活用するとともに、情報モラル等についての指導の充実を図る。
 特に、普通教科「情報」については、将来、いずれの進路を選択した場合でも必要となる情報活用能力を身に付けさせるため、現行の科目構成を見直す。 


9.教師が子どもたちと向き合う時間の確保などの教育条件の整備等
(2) 教師が子どもたちと向き合う時間の確保のための諸方策
(ICT環境の整備)
○ 学校の組織力を高め、効果的・効率的な教育を行うことにより確かな学力を確立するとともに、情報活用能力など社会の変化に対応するための子どもの力をはぐくむため、ICT環境の整備、教師のICT指導力の向上、校務のICT化等の教育の情報化が重要である。
  
       
       
 ④  文部科学省「学習指導要領」 →→文部科学省のページはこちら
(小学校・中学校:平成20年3月告示、高等学校・特別支援学校:平成21年3月) 
 小学校・中学校・高等学校の各段階で、情報教育及び教科指導におけるICT活用について充実が図られました。
 総則の指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項の中に、「各教科(・科目)等の指導に当たっては、児童又は生徒の思考力、判断力、表現力等をはぐくむ観点から、基礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る学習活動を重視するとともに、言語に関する関心や理解を深め、言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を整え、生徒の言語活動を充実すること」「各教科等の指導に当たっては、生徒が情報モラルを身に付け、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を適切かつ主体的、積極的に活用できるようにするための学習活動を充実するとともに、これらの情報手段に加え視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること」と示されています。 
       
       
 ⑤  文部科学省「教育の情報化に関する手引」(平成22年10月) →文部科学省のページはこちら
 新学習指導要領のもとで教育の情報化が円滑かつ確実に実施されるよう、教員の指導をはじめ、学校・教育委員会の具体的な取組みの参考になるように、「教育の情報化に関する手引」を作成されました。その内容について、説明したいと思います。
       
   
教育の情報化とは、  (「教育の情報化に関する手引」より抜粋)
特に指導場面に着目したときの従来からの整理とともに、昨今の教員の事務負担の軽減等の観点も含め、
① 情報教育
   ~子どもたちの情報活用能力の育成~
② 教科指導におけるICT活用
   ~各教科等の目標を達成するための効果的なICT機器の活用~
③ 校務の情報化 
   ~教員の事務負担の軽減と子どもと向き合う時間の確保~
の3つから構成され、これらを通して教育の質の向上を目指すものである。 
  ① 情報教育について
 平成9年10月の「情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議」第1次報告において、情報教育の目標を次の3つの観点に整理している。これらの3つの観点は独立したものではなく、これらを相互に関連付けて、バランスよく身に付けさせることが重要である。

3つの観点
A  情報活用の実践力
 課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力
B  情報の科学的な理解
 情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と、情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解
C  情報社会に参画する態度
 社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度
  ② 教科指導におけるICT活用について
 教科指導におけるICT活用とは、教科の目標を達成するために教員や児童生徒がICTを活用することである。学習指導要領解説では、各教科等において随所にICT活用が例示されている。これらは、1)学習指導の準備と評価のための教員によるICT活用、2)授業での教員によるICT活用、3)児童生徒によるICT活用の3つに分けられる。

1) 学習指導の準備と評価のための教員によるICT活用とは、よりよい授業を実現するために教員がICTを活用して授業の準備を進めたり、教員が学習評価を充実させるためにICTを活用したりすることである。
2) 授業での教員によるICT活用とは、教員が授業のねらいを示したり、学習課題への興味・関心を高めたり、学習内容をわかりやすく説明したりするために、教員による指導方法の一つとしてICTを活用することである。
3) 児童生徒によるICT活用とは、教科内容のより深い理解を促すために、児童生徒が、情報を収集・選択したり、文章や図・表にまとめたり、表現したりする際に、あるいは、繰返し学習によって知識の定着や技能の習熟を図る際に、ICTを活用することである。

 教科指導におけるICT活用による効果については、これまでの調査研究などからあきらかになっている。例えば、平成17年度及び18年度に文部科学省委託事業により実施した「ICTを活用した指導の効果の調査」において、全国で実施された752 件の検証授業を分析評価した結果では,ICT を活用して授業を行った教員の98.0%が,「関心・意欲・態度」の観点において効果を認めていた。それ以外の観点(知識・理解,思考・判断,表現・技能・処理)や,ICT 活用によって児童生徒が集中して取り組めるようになることや児童生徒が楽しく学習できるようになることなどについても,多くの教員が効果を認めていた。
 また,児童生徒に対する調査によれば,学習に対する積極性や意欲,学習の達成感などすべての項目について,ICT を活用した授業の場合の方が評価が高かった。
 さらに,児童生徒に対する客観テストの結果によれば,各教科の得点や「知識・理解」や「技能・表現」の観点で高い効果が得られた。
  ③ 校務の情報化について
 校務の情報化の目的は、効率的な校務処理とその結果生み出される教育活動の質の改善にある。
 校務が効率的に遂行できるようになることで、教職員が児童生徒の指導に対してより多くの時間を割くことが可能となる。また、各種情報の分析や共有により、今まで以上に細部まで行き届いた学習指導や生徒指導などの教育活動が実現できるなど、様々な恩恵を受けることができる。
       
       
   
       
       
 佐賀県教育委員会「佐賀県教育の基本方針」  → 「平成23年度はこちら」「平成24年度はこちら
 少子高齢化やグルーバル化、高度情報化などが急速に進む中で、社会的・経済的格差の固定化への懸念や安全・安心の確保など、様々な課題が生じており、教育の根幹に関わる制度の改正や教育の充実に向けた取組が進んでいます。
 このような中、本県教育には、一人ひとりが豊かな人間性を培い、生涯にわたって自ら学ぶ意欲を持って対応し、文化の創造や産業の振興など社会や地域の発展に貢献できるよう、心身ともにたくましい県民を育成することが求められています。 
       
   
Ⅳ 時代のニーズに対応した教育の推進 (「平成24年度佐賀県教育の基本方針」より抜粋)
主な取組① ICT利活用教育の推進
<現状と課題>
○ 社会の情報化が急速に進展する中で、児童生徒が、コンピュータやインターネット等を活用して、主体性や創造性を発揮することができるよう、情報活用能力を育む教育の一層の充実が必要です。
○ 本県の機器等の環境整備や教職員のICT利活用力は、必ずしも十分と言える状況にないため、早急にICT機器の整備と教職員研修の充実による新たな教育環境の構築を行う必要があります。
<取組方針>
・ 全ての教職員がICTを活用した実践的な教育活動を行うことが可能となるように教職員研修の充実に努めます。
・各学校におけるOJTを推進するために情報化推進リーダーを中心とした校内研修体制を整えます。 
       
       
Ⅲ 佐賀県教育センターの情報教育に関するこれまでの取り組み 
   佐賀県教育センターの情報教育に関するこれまでの主な取り組みは、
 ・ ICT利活用の拡充を図るための研修の充実
 ・ 学校現場におけるICT利活用の技術支援
 ・ 高等学校において基礎学力を定着させるためのデジタル教材の開発
を行ってきました。
 また、これら教育活動の連携を活性化するため、学校間のグループウェア(ES-Commons)の研究にも取り組んできました。 
       
       
   
       
       
 
 教育センターの情報教育に関する取り組みを振り返ってみると、ここ数年学校現場の先生方からICT利活用に関する情報提供や技術支援、また、ICT機器の導入やICT利活用に関する不安など多くの声が寄せられるようになりました。
 これらの状況も踏まえると、今後各学校がICT利活用教育の実践に取り組むにあたり、教育センターからの技術的サポートや情報提供等への期待はさらに高まるものと思われます。
 そこで、佐賀県教育センターの情報教育に関する取り組みの一環として、ICTの利活用に関して学校現場を総合的に支援するための研究に取り組むことにしました。  
       
 
 
 
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